東往西往

刀についての妄言とかアニメの感想とか腐も

頭の中で刀剣男士が作戦会議してるの聞いてると楽しい…いや全員俺なんだけど…楽しい…

そういうやつ なんでもないやつ

 

 

 

 

 

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「やはり3戦目、4戦目、それと9戦目の槍が抜けませんね」

平野が作戦図を指しながら発言すると乱がころりと首を傾げる。

「主さんは多少討ち漏らしても進軍優先って言ってるけど」

「でもいつかは倒したいですよね」

そうおずおずと五虎退も頷き、背後の大虎も鼻先を下げる。虎のオッドアイが作戦図を見ている。もしや理解しているのだろうかといぶかしむ御手杵の傍ら、前田が冷めた湯呑みを一口啜り、咳払いをしてから言った。

「隊長が狙われにくいこともわかりましたし、大典太さんを獲得するまではこの編成です。折を見て極に至った皆で集中攻撃をかけて行きましょう。大典太さんが獲得できれば僕も修行に出られますし、その前に秋田が極めるかもしれません」

「アタシを入れ替えた方がいいんじゃないかい?」

酒を煽りつつも眼差しははっきりとした次郎太刀が発言する。乱はうーんと考え込んでから「でもやっぱり次郎さんが広範囲を斬り払ってくれるの、大事だよ。上手くいけば二つ同時に倒してもらえるしさ」と言い、平野も頷く。

「夜戦が多いからどうしても立ち回りが苦しいかもしれませんが、補佐してくださる大太刀の存在は有り難いものです」

「俺が育っていればなあ」と嘆息した御手杵はこの場で唯一この出陣部隊に含まれていない。つい先ほど遠征から戻ったところで、軍議を聞きつけてうずうずと顔を出したのだった。「主は何だってこう育成に偏りがあるんだか」

「まあまあ、主君も今は余裕がなさそうですが、もう少しすれば練度向上を目的として三部隊を出陣に割くつもりのようですよ。それまではすみませんが、小判の確保をお任せします」

「本当か?」

「近侍の秋田が言っていましたから」

御手杵は肩をすくめて前田に苦笑した。この場にいる者は次郎太刀以外みな短刀だが、全員御手杵よりも鋭く速い。自分が修行を願い出るのは、それを受理されるのはいつの話になるだろうかと考える。まだ来ない日本号の顕現と自分の修行とどちらが先だろうか。どちらも早いといい。ともあれ今は目先の敵だ。

「はぁ。ならそれまでもう一踏ん張りかな。あの天下五剣がお出ましになるまでは仕方ないかあ」

自分や蜻蛉切や博多もかの槍を待ちわびているが、目の前の少年も待っている刀がある。

寝転がっていた虎がふと顔を上げ、五虎退が机の時計を指した。

「あの、そろそろ時間みたいです」

「ありがとうございます、五虎退。では僕たちはこの辺で」

「おぉ、湯呑み置いとけよ。片付けとくから」

「すみません」

「いいっていいって」

仲間のために働くのは吝かではない、と御手杵は皆と共に立ち上がり伸びをする。伸びをした拍子に鴨居へ頭をごんと打った。

 

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